【嵐】終わらせてくだちい。

めっちゃ時間かかった…んですがGANTZ PERFECT ANSWERの感想です。
まぁ今までの他の感想やらそもそも書いているものやらで私が論理的な文章が致命的に書けないということは知ってもらっていると思うので、なんか、この感想に生産的なものとか深い考察とか脈絡を求めないでいただけると…ありがたいです…。

と、ネタバレには特に関係ないことなので、ここで思っている疑問なのですが(原作未読なのでもしかして説明なりそれを使った描写があったらすみません…)。
玄野計と岸本恵という名前。”主人公”と”序盤のヒロイン”という人物に対して、同じ読みの名前を付けるっていうのは何か意図があるんでしょうか。下の名前で呼びそうな人って言っても加藤は岸本さんとしか呼ばなさそうだし、加藤弟や多恵ちゃんは岸本とまず会ってるのか分かんない…(´・ω・`)どうなのでしょう。
あと、夏菜ちゃんのことを私は最初カナちゃんだと思っていましたすみません…orz

それでは長いだけの感想投下ですー



くろのくんは…まどかだったんだぜ…!


というのはおいといて。(元ネタが分からない人は魔法少女まどか☆マギカ及び最終話を見てね!)
前編に対してはなんやかんやケチをつけていた感のある国東ですが、もう後編が良すぎて。結局今のところ2回見てきました。劇場で観たのは隠し砦に始まり花男F、ヤッターマン、大奥と来てガンツなのですが、2回見たのは隠し砦以来か…いや大奥ももう1回見たかったけども。水野様の巻き舌…

あまつさえ私後編に関してはDVDほしい!とまで思っているので、相当感情に来たのだと思います。
いや、2回見に行ったのはあんまりにも情報が整理できなかったせいもあるけども。2回めを見てようやく、このとき加藤の姿をしてる人はどういう陣営で何を目的にしてるのかなぁーとか、特に鮎川映莉子の動きがようやく把握できた気がします…あと、緊急ミッションが多恵ちゃんだった流れとか。

というわけでもろもろの感想を書くにあたってまず流れを書き出さねば!と取りかかったんですが、これだけで1時間くらいかかった…(それでこの時系列合ってるのかしら…(コソッ))
しかも私の場合最初箇条書きのつもりだったのにどんどん感傷的になっていってあぁぁあぁ。せっかくだからそれも載せておこうかな。

ってなわけで感想に、入りますー…書けるかな…。


<最初の鮎川>

これ、私最初”鍵”を殺してたのはガンツの指令、ってのは分かったけど無意識で、っていうのパンフ読むまで分からなかったんだよ…2回目見たら同じ構図で時間経過、目覚めたら靴も履いてる服も変わってるのに本人がうろたえる、っていうすっげぇ分かりやすく説明された描写ではあったんだけども…
しかしだから、1回め見たとき鮎川がどういう陣営に属してるんだか分からなくて混乱に拍車をかけたのであった…卒業生の女の子を線路に落とすところとか、地下鉄ミッション〜転送されてきた部屋での会話とかさ…小林の「この女が私を殺したんです」っていうセリフがあってもうそこから怒涛のように緊急多恵ちゃんミッションに入っちゃうから余計に(゜д゜)お、おいちょっと待ってくれよ!どういうことなんだよ!な状態に…


<日常を送るくろのくん>

またこのバイトの制服が…制服自体が微妙だったせいで似合わないことこの上なかった!笑
のはおいといて。
前編から思ってたけど、歩くんがいい男の娘すぎて…(冗談です)あの家事能力、兄貴へのツンデレ、多恵ちゃんとの「計ちゃんと付き合ってるんでしょ?」やらなんやらが、良いキャラすぎた…
ところでくろのくんが多恵ちゃんにお金を渡すところで、「小島さんがここの家賃払う必要はないでしょ」って言ってたんですが、これは当初から多恵ちゃんが頑として払おうとして、しょうがないから計ちゃんは多恵ちゃんに対して渡してるってことなの? 好きなくろのくんに頼まれたからって、お兄さんが出歩いちゃってひとりに歩くんの面倒を見なきゃ!って思ったからって、そんな出費ができるものなのだろうか…そんな大学生現実的ではない…
単に前編との「就活とか学生生活にも覇気のなかったくろのくん」との対比で働いてる、お金を”現実世界でも”得てるくろのくん、現実の世界を投げ出していないくろのくんを出したかったのかもしれないけど。


<日差し>

坂道で遊園地に誘うくだり。
なんというか、これまでのガンツというかくろのくんというか、二宮和也という人を見てきたせいか、小柄であるとかは関係ない、骨の周りに肉のついた脚を、二本、交互に動かして地面を踏んで歩いてるっていうだけで胸を突くものがありました。特にわりとぴったりしたジーンズだったせいかな。脚、っていう体の、肉体の存在を渡してもらえて、この人が存在している感覚があって嬉しい、というような。
ほんとうに、二宮という人はこれまでの作品で何回死んでるんだという人ですが、そういう”人が生きて暮らしている”喜びとか幸福を知らしめてくれる存在で、美しく死ぬこととの対比でその幸福を初めて痛感させるために、そしてそれをきちんと人に感じさせる力が彼にあったがために、人々は彼を死なせたがるのかなぁとか、思ったり。
二宮さん本人の「僕は道明寺とかヤッターマンとか怪物くんとか、子どもに楽しんでもらえるようなキャラクターってできないんですよねぇ(回ってこない?)」っていう発言も好きなんだけども(*´∀`*)


<地下鉄>

もぉぉぉぉぉぉ私地下鉄ミッションが好きすぎる…!超かっこよかったです。いやそんなこと言ってちゃいけないんですけど。
あと見て初めて、「自分がどの車両にいるかを考えながらアクションしなきゃいけないのが大変だった」の意味が分かりました…あれ最初はガンツメンバーたちは最後尾の車両にいるんだよね?で、黒服たちが前に向かってたところで(運転手を害するために?)後ろにガンツメンバーたちがいるのが分かったから壹以外は後ろに向かって、対峙したところで発砲したと。で、そのまま最後尾で黒服貮、参、四と鈴木、桜井、高橋、坂田が戦ってて、その前の車両で伍、陸と新規メンバーと玄野かな?たぶんずっと玄野とやってたのが陸だったと思うんだけど…(自信がない)一回鈴木さんが車両を移動したら新規メンバー=実は卒業生が超戦ってたって感じだよね…?「私…覚えてる…!」

で、一般人というか群衆というかを、ガンツスーツを写メったり「私たちは怪しいものでも、危害を加えるつもり
もありません」っていう鈴木さんの言葉に全然現実感を感じてなくて笑ったりする反応だったり、後方の発砲音になんとなく反応する感じとか、一転してパニックとなって逃げ惑う奔流とか、誇張するわけでもなく描き方が的確だったように思います。

あぁぁもうくろのくんが車両から飛んでいくときにスローモーションで流れていく中で、多恵ちゃんを見つけて目を見開く様、ホームにずざざざぁぁぁっ!!って転がってから起きあがってホームを走って、走って、また車両に突入するまでの流れが大好きすぎる。そこから、この状況にも、この中にくろのくんが何かを果たしていることにも混乱して、縋りたくなる多恵ちゃんを安全な車両へ逃がそうと言い聞かすために、「多恵ちゃん!」って呼ぶタイミングも、ここに来てすごい良かった…あの坂道の甘酸っぱい感じからのこの繋げ方…くろのくんは、嘘を最後まで吐き通すことで、彼女を守ろうとしていたし、彼女を好きだったから、最後まで嘘を吐いた。あぁぁ…´`
ところで黒服参の女の子と卒業生の女の子との殺陣はおいしかったですね!スカートスカート!(…)

ここで参が倒れるときに言った「復讐だ…」っていうのと、鮎川を殺した加藤が「復讐だ…」って言った時点で、この加藤が星人だって示されてるんですね。これも1回目分からずに過ごした私…しかも鮎川が転送されてきた後のガンツ部屋で桜井くん「さっきの星人と同じっすよ!」って…ちゃんと言ってる…

ここで”おばさん”が倒れるわけですが。ここの「…おもいぃ…どいてぇ?」と、あと加藤(星人)と計ちゃんが最初に出会ったときの「どうやって、…生き返ったんだよ…?」のところが、すごく耳に障って。もちろん不快だったのではなくて、すごく定型的な”芝居調”から外れていた感というか。そこの感覚を持って初めて、自分がなんというか上等な芝居の中にきちんと没入できていたのだという気付きと、この後編という上等な話の中で、この人々(役者=中の人ではなく、作品世界を”生きている人物”)に対して、芝居を要求していた、彼ら彼女らの生き様を現実だと感じられていなかったんじゃないかという気付きとがあったような気がします。
しかしおばさんと高橋の関係はいろいろな想像をかきたてますね…とりあえず私の中では介護士の仕事中に祖父を見舞ってた高橋と出会う→高橋が高校卒業する頃に祖父が亡くなる→からのなんじゃかんじゃとかまで考えたのですが(なんじゃかんじゃでは考えたとは言わない) とりあえず、ああいう男女の朝を見たい。なんだかんだ言って、胸に幸せの満ちた朝を過ごしていたのではないだろうか。幸せな、裸の。


<緊急ミッション>

2回目でようやく流れが分かった…

鮎川の元にミニガンツ玉で届いていた指令の最後のカギが多恵ちゃん
→それが揃うと戻れる(ガンツ部屋に来れるよ)という
→星人が鮎川を殺し、ミニガンツ玉を奪う
→その状態で星人が多恵ちゃんを殺せば、星人がガンツ部屋に来てしまう
→それを阻止するために、ガンツメンバーの方で多恵ちゃんを殺させようとする

っていうことだよね?しかしじゃあそもそも、なぜ3人めまで卒業生で、手を下すのも卒業生の鮎川で、多恵ちゃんが4つめのカギだったのか?
っていうのはえーと…

西くんの言うとおり寿命の迫っているガンツ
→その前に星人をやっつけたい
→強い卒業生を集めるんだ!鮎川よ卒業生を連れてこい!
→くろのくんもいてもらわないと困るぜ…となったらくろのくんの大事な小島多恵を人質的に…

的なことなの…?
(多恵ちゃんが死んだ後の「俺にずっと戦えって言うんだろ…だから多恵ちゃんを殺したんだろ…?」ってくろのくんが言ってた通り…?)
(たどたどしい整理)


<逃走中>

最初くろの・たえ視点だから酔うよねあれ…!しかしおんぶ二宮さんお疲れ様です…
ちょうどね、授業で先生が紹介してくれたんですけど、「中世の愛と従属」という本に、古事記のオホムナヂとスサベリヒメ(名前が違うかもしれない)に始まる、男が女を背負う場面をまとめて解説した記述があるらしい。三途の川も、女は初めての男に背負われて渡るらしい、とか。ちょっと、今回のことがあったから気になります…
桜井かっけぇ!とか鈴木さん…お姫様抱っこ…!とかときめいた部分もありますが。

2回目見て泣きたくなったのは、鈴木さんが多恵ちゃんを逃がしてからガンツメンバーと対峙して、小林と中村はやめた、って言って一度ガンを下ろしているのに、応戦になったら撃ってしまって。「だって…!だって、あっちが…!」って発した言葉。
結局、それは星人のセリフと同じですよね。相手が攻撃したからこっちも。それを結局人間間でも人はやめられない。ようやくここに来て、「これは戦争ものなんだな」っていう理解に達した感があります。私の思うことは浅いことだけれども。ガンツ玉とかその指令でやらされることとかその強制力ってあんまりにも理不尽というか不条理だけど、それって実際の戦争でもおんなじなんだと思う。国であるとか元首であるとかの志向によって、動かされ現地を歩き息をし血を流すのは一般の人。自分を戦地に往かせ戦闘を強いる”頭”と乖離して実際の”頭”と”手足”があるから、理解できない。理解できていないから、自分が、自分が死なせたくない人間が傷つかないためという欲求のみで目の前の別存在と戦うことになる。個人的には、ちびまる子ちゃんのヒデじいの戦争の話を思い出してました…敵兵が地雷を踏んでしまって、血まみれで息絶え絶えになりながら恋人の写真に呼び掛ける敵兵を見ながら、「自分は何のために戦っているんだろう…」って思うっていう。或いは、父親たちの星条旗を私は見てないんですが、星条旗硫黄島というように、人間側のGANTZと対になる”星人側の”話というのは、きっと容易に設定しうるものなんだと思います。

だから、この物語で肝要なのは、その一方である人間側、その中で主人公として焦点を合わされているくろのくんにどれだけ感情を没入させて見ることができるか、だと思うのです。くろのくんに、彼が守ろうとした多恵ちゃんに涙を流せれば勝ち。

だから、生きると守るという欲求で走りぶつかったくろのくんと感情のままくろのくんの元にたどりついた多恵ちゃんを責めることはできない。

加藤も倒れた後、満身創痍のくろののところに辿りついてしまった多恵ちゃんに「う、そだろ…」って言った音が印象的でした。あとは、そうして足、腹、背中を切りつけられても尚近くへ辿りつこうとする多恵ちゃんの姿に、「芋虫が這うようだっていう表現は本当に合ってるんだな…」という実感を持ったり。「けいちゃん、…死んじゃ、ダメだよ…」「多恵ちゃん…もうかえろう…?」っていう会話も、そうして多恵ちゃんが死んでしまって、何度も何度も、あの血がこびりついた顔で、かたいガンツスーツの手で多恵ちゃんの髪を撫でるところも。転送されて、床を叩くシーンも。良かった。床を叩くところ、叫ぶまでにすごく溜めがあってあんまりずっと叩いてるから、私の方が先に叫びそうだった…完璧なる余談だけど、私は叫ぶシーンが好きで、一緒に叫びたくなる感情を一生懸命理性で抑えています。この床のシーンもそうだけど、高校の授業中とか、「こんな皆静かにしてる公共の場で今私が感情に圧迫されていきなり叫んだらどうしよう…」とかいう無駄な危惧にハラハラしながら過ごしていました。笑(笑ってて大丈夫か) まぁとりあえず、頼が自転車ドライブに行った川原で大声を出してみるシーンとか、隠し砦で脱出するとことか、才能玉で翔さんが叫ぶシーンとかが、一貫して好きです。余談終わり。

ここで。多恵ちゃんが切られたのって3回で、最初瞬間的には、「それで死んじゃうの?!」だったんですけど、…よく、普通に考えたらそうですよね。普通の、弱い人間が切られたら死ぬに決まってるんですよね。今までのガンツスーツを着ての、ガンや派手なアクションシーンでの戦闘を見てきたせいで、死ぬに至るまでの基準が麻痺していたことにここで初めて気付きました…。


結局、計ちゃんはガンツ玉と何を話していたんだろう? まんてんめにゅーの「永遠に」の後は何なんだろう? これがとにかく、見る人解釈する人によって全く違ってくるものだと思います。

永遠に、願う。であるか、永遠に、思う。

私は、くろのくんの選択がそうであったらいいと思います。
自分が守りたかった人々が、幸せでいてくれるなら。それを、ただ自分が息をし鼓動を打つことで叶えられるなら。くろのくんはそういう形でさえ生きようと思ったのではないか。
決して、ガンツ玉が閉じて外見は無機物な球体であるかのように見えていたとしても、中にいる彼の体には高まった感情が満ちている。ただそれを静かに抱え満タンに湛えている。
多恵ちゃんを好きだと、思っている。

最後ガンツ玉ががちゃん!って閉まった後に、「みなさん どうか おしあわせに」ってあったじゃないですか。私あれを1回目は、事前の雑誌とかの情報で「パーフェクトアンサーというのはある意味ガンツの思惑通りという意味でも」というような文面を読んだ記憶があったせいか、”思惑通り生命源を得たガンツの皮肉”かと思ってしまったんですが(今、「どうぞ おしあわせに」じゃなかったよね…?!とがくぶるしてますが)、2回目ようやく話の流れを整理させながら感情を途切れさせずに見た結果、あれはくろのくんの願いなんだと。たまらなく思いました。
多恵ちゃんに観覧車の電光掲示板で伝えたのも、もしかしてガンツ玉はああいう「文字を表示させる能力」とかあるのかなぁ…とかうっすら思ったりなんだり。
はっ…Σ(0□0)もしかして、「ここに観覧車の絵をかいて」っていう言葉も後から書いたのくろのくん…!

(0□0)

(0□0)

(;□;)ぶわっ

…あ、いや、電光掲示板は見た後から思ってたんですけど、スケッチブックの方は今思い付きまして…(;□;)うわぁぁぁぁぁぁぁ


とにかく、私はこのお話が好きでした。これは映画館で見るのが良いと思う。いやDVD買うけど。結局は、私は花男Fとか、そんな感じの綺麗事が好きなのです。人が誰かを好きになったり、大事にしたり、行動したりすることを、肯定してくれたら嬉しいのです。

みなさん どうか おしあわせに。